記事によると、美術鑑賞は好きでも、印象派以前は観(み)ても楽しめないという日本人は多い。
それもむべなるかな。印象派以前の西洋絵画の大半は宗教や神話を主題にしたもの、あるいは肖像画。西洋の歴史や人物が身近でないうえ、絵画に描かれるアトリビュート(人物を特定する持ち物)にも馴染(なじ)みが薄い日本人には絵の「謎解き」ができないのだから。
そんな苦手意識を軽快に払拭してくれるのが『名画の謎』シリーズです。本書は、『ギリシャ神話篇(へん)』『旧約・新約聖書篇』に続く3作目。古代のハンニバルから20世紀を生きたユダヤ人画家まで、過去に生きて呼吸していた実在の人間たちが主役です。
「彼らは、ゼウス顔負けの好色ぶりを発揮するし、悪魔よりなおひどい悪を為(な)すかと思えば、時に聖人もかくやの自己犠牲を厭(いと)わない。権力欲にかられ、陰謀をめぐらし、名誉のために命を賭し、恋文を書き、選挙運動でただ酒を飲む…」
人間とはなんと興味深い生きものなのか−著者の深い眼差(まなざ)しと洞察、軽妙な語り口で、人物像のみならず、画家の心境や絵のテーマ、時代背景が次々と解き明かされていきます。
登場する主要絵画は表紙にもなったドラローシュの『ロンドン塔の王子たち』など17点。それぞれに年表や家系図、地図を掲載。味気なかった歴史に血肉が与えられ、時代の息吹が甦(よみがえ)ってきたとき、一芸術作品として眺めていた絵は全く違ったものに見えてきますとのことです。
内容紹介
“絵で知る”歴史はこんなにも面白い!
ギリシャの神々、イエスや聖人に続き、人気シリーズの第3弾のテーマは、“人間”です。
古代のハンニバルから20世紀を生きたユダヤ人画家まで、過去に生きて呼吸していた実在の人間たち。彼らは、「ゼウス顔負けの好色ぶりを発揮するし、悪魔よりなおひどい悪を為すかと思えば、時に聖人もかくやの自己犠牲を厭わない。権力欲にかられ、陰謀をめぐらし、名誉のために命を賭し、恋文を書き、選挙運動でただ酒を飲む……」(「はじめに」より)。
人間とはなんと興味深い生きものなのか――著者の深い眼差しと洞察で、選挙、決闘、手紙、さらには画中画や女性のバッグまで、絵に秘められた意味が解き明かされます。
ターナー『吹雪、アルプスを越えるハンニバルとその軍勢』/ブリューゲル『死の勝利』
/ドラローシュ『ロンドン塔の王子たち』/ラファエロ『レオ十世と二人の枢機卿』/ティツィアーノ『カール五世騎馬像』/ガウアー『エリザベス一世』/フェルメール『恋文』/ゴヤ『異端審問の法廷』/スーラ『グランド・ジャット島の日曜日の午後』/グロス『恋わずらい』など全17篇。
各絵画、関連する年表や家系図、地図を掲載。画家の心境やテーマ、時代背景などに光が当てられ、味気ない歴史に血肉が与えられ、時代の息吹が甦ってきます。一芸術作品として眺めていた作品が全く違った絵に見え、歴史の面白さに引きずり込まれること必至です!
中野 京子
文藝春秋
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