記事によると、野球は本当に面白い。眼前の白球の行方に一喜一憂するだけでなく、過去の試合をあれこれ語るのが、また楽しい。
そうして語り合う野球を「ストーブリーグ」と言う。シーズンオフにストーブを囲み、過去の試合を振り返るのだ。今ではトレードやドラフトのことを表す言葉になったが、本来の意味は言葉で楽しむ野球のこと。その意味で、本書は最高に楽しいストーブリーグの一冊である。
何しろ長いペナントレースを戦ってきた2チームが、最終戦を前に、同じ勝ち星、同じ勝率で、首位に並んだのだ。優勝を決定する最後の一試合が、面白くないわけがない。
野球ファンなら誰もが知っている1994年10月8日の中日VS巨人戦。当時の巨人長嶋監督が「国民的行事」と称した一戦である。著者は、監督や選手はもちろん、トレーナー、マネジャー、新聞記者、アナウンサー等々、この決戦に関わった多くの人々に対する取材で、最高の試合をストーブリーグで再構築する。
スーパースター長嶋監督の「カリスマ采配」に対して、彼に憧れてプロ選手になりながら、彼我の差に気づき、選手時代は燻銀(いぶしぎん)の職人芸に徹した中日高木守道監督の「いつもの野球」。その対照的な2人の指揮下でマウンドに上った巨人の3人のエース(槇原・斎藤・桑田)や、不運にも敗戦投手となった中日のエース(今中)、いつも通りに踏ん張ったリリーフ陣(佐藤・野中)。先制本塁打を放ちながら試合途中に負傷退場した巨人の四番打者(落合)、高校時代にもやらなかった一塁へのヘッドスライディングで肩を脱臼した中日の三番打者(立浪)、打席に入る度に試合中断という不運で無安打に終わった四番打者(大豊)…等々、野球とは、本当に「人生のようにリアルなスポーツ」(ベーブ・ルースの言葉)というほかない。
この試合の前年にはJリーグが開幕。プロ野球の危機が囁(ささや)かれた。そこで「天覧試合」以来プロ野球を牽引(けんいん)し続けてきたスーパースターが復帰。最後に史上最高の決戦が…と思えば、胸に熱いものも込み上げてくる一冊であるとのことです。
内容紹介
1994年10月8日、優勝をかけたシーズン最終戦。
長嶋監督が「もはや国民的行事」と語ったように、この一戦は、平均視聴率48.8%(プロ野球中継史上最高)。2010年に日本プロ野球機構が現役の監督、コーチ、選手を対象にしたアンケートで「最高の試合」部門1位だった。
伝説として語り継がれる「世紀の決戦」を、今中、松井、立浪、桑田、大豊、斎藤……戦った男たちの証言でつづる。長嶋監督は言う。「野球のすべての面白さを凝縮した試合だった」
鷲田 康
文藝春秋
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